みどころ

自然とアートが共存するカントリーサイド

マサチューセッツ西部では、自然あふれるカントリーライフが堪能できます。画家ノーマン・ロックウェルや作家ハーマン・メルビルゆかりの場所のほか、美術館や博物館も多く、アートな気分に浸れます。ボストン交響楽団が行う夏のタングルウッド音楽祭も必見。18~19世紀の歴史的建造物の数々、全米最古の高速道路モホークトレイルでのドライブなども楽しめます。

観光スポット

ノーマン・ロックウェル美術館

人間味あふれるアメリカ人の姿を描き続けた画家であり、イラストレーターのロックウェル。50代後半から亡くなるまでストックブリッジで過ごし、活動の拠点としていました。彼が個人で所蔵していた自分の作品の大半を町に寄贈し、それらを展示しているのがロックウェル美術館です。ロックウェルの膨大なイラストや素描、油絵、写真、文書などを常設展、企画展などで見ることができます。特に、彼を一躍有名にした『Saturday Evening Post』の表紙や、クリスマス時期のストックブリッジのメインストリートを描いた『Main Street at Christmas』は必見。

敷地内にはアトリエも移築され、イスや机、制作中のキャンバス、筆、絵の具、パレットなど、彼がスタジオとして使っていた当時のままの状態で保存されています。ロックウェル美術館は、バークシャー地区最大の見どころのひとつです。

彫刻家フレンチのアトリエ

ワシントンD.C.のリンカーン記念館にある巨大なリンカーン像の制作者が、アメリカを代表する彫刻家ダニエル・チェスター・フレンチです。彼が晩年に別荘&アトリエとして使用した場所がストックブリッジにあるチェスターウッド。リンカーンの銅像もここで制作されました。フレンチが住んでいた頃のまま保存されたチェスターウッドには、約500点の作品が残されています。彫刻庭園もあり、ゆっくり散策するのがおすすめです。

メルビルの家

凶暴な白いクジラと捕鯨船船長の数年にわたる壮絶な対決を軸に描かれた『白鯨』は、海洋文学の中でも高い評価を受けている作品です。その著者がハーマン・メルビル。彼が代表作『白鯨』を執筆したのが、ピッツフィールドにあるアローヘッドです。アローヘッドとは“矢じり”の意味で、とんがった屋根が印象的。ここは彼が隠れ家として住み、素朴な田園生活の中から数々の傑作を生み出しました。

現在はバークシャー郡歴史協会の本部として活用され、メルビルゆかりの書斎や調度品などが展示されています。

ハンコック・シェーカー・ビレッジ

共同生活を送るキリスト教の一派で、今では数が少なくなってしまったシェーカー教徒の生活様式を再現した野外博物館。ピッツフィールドにあるビレッジは19世紀に実際にあったコミュニティのひとつで、20の建物、農場、ハーブガーデンなど、往時の生活そのままで保存されています。収穫祭や工芸品のワークショップ、織物、伝統的な食事など、さまざまなイベントも実施。併設のショップでは、収穫された農作物の加工品や工芸品、家具、織物製品など購入することができます。

スターリン・アンド・フランシーヌ・クラーク美術館

ウィリアムズタウンにあり、クラーク夫妻が収集した美術品を展示しています。個人所蔵としてはスケールの大きな美術館。特に19世紀フランス印象派の絵画は必見です。モネの『ルーアン大聖堂』連作の1枚やルノワールの『猫と眠る少女』をはじめ、ドガ、ミレー、コロー、ピサロ、ロートレックなど、その作品は30点以上。そのほか、イタリア・ルネサンス期の祭壇画、アメリカ初期の絵画と彫像、イギリスの銀細工コレクションなどが有名。無料のファミリーイベントや企画展、コンサート、公開講座なども実施しています。

タングルウッド

レノックスにあり、毎年夏にはボストン交響楽団が野外コンサートを行うことでも有名です。6月末~9月上旬まで、世界中の音楽ファンで賑わいを見せます。会場となる森には、野外音楽堂やセイジ・オザワ・ホール(小澤征爾ホール)などがあり、その回りには芝生席も用意されています。一流の演奏をピクニック気分で楽しむ――まさに贅沢なひと時です。ボストン交響楽団のほか、ボストン・ポップスによる現代音楽からジャズまで、さまざまなジャンルの演奏が楽しめます。


スプリングフィールド地区

入植初期には交易で栄えたスプリングフィールド。歴史的な街は、さまざまな“アメリカ初”を生み出してきました。スプリングフィールドを中心としたグレーター・スプリングフィールドは、パイオニアバレーとしても知られ、現在も商業や文化の中心を担っています。数多くの“アメリカ初”のひとつが、バスケットボールです。

バスケットボールは、スプリングフィールドが発祥の地といわれています。YMCA訓練校の講師を務めていたジェームズ・ネイスミスが考案したとされ、バスケットボールの殿堂もこの地にあります。1891年にスプリングフィールド大学のキャンパスの片隅で始まったスポーツは、現在では世界各国に広まり、特にアメリカでは人気の4大スポーツへと発展しました。バスケットボールの殿堂では、その軌跡をたどることができます。

スプリングフィールドには美術館や博物館、劇場、コンサートホールなどが数多く点在し、文化・芸術に親しむチャンスも。冬には、ニューイングランド最大のクリスマスディスプレイが楽しめます。フォレスト公園のブライツ・ナイツで、クリスマス気分を存分に味わって!


フランクリン地区

フランクリン地区は、マサチューセッツ州の中でも自然あふれるカントリーライフが満喫できる場所です。芸術家や職人も多く住み、ギャラリーや工芸センターなども点在しています。自然を堪能しながらローカルの美術工芸品巡りをしてみるのも一興です。

特におすすめなのは、ヒストリック・ディアフィールド。18~19世紀に建てられた歴史的建造物が建ち並んでいます。11の個人邸宅を含む13軒が博物館として一般公開されています。当時流行した建築様式やデザイン、家具調度品などが、往時のままのライフスタイルとともに見ることができます。ほとんどの建物はガイドツアーでの見学となりますが、ステビンス家とシェルドン家の2軒は自由に見学することができます。

モホークトレイル地区

全米最古の高速道路モホークトレイルは、マサチューセッツ州北西部を東西に走る2号線で、美しい紅葉街道としても知られています。ヘアピンカーブなどもあり、変化に富んだドライブが楽しめるのも高ポイント。モホークトレイル沿いには多くの見どころもあります。マサチューセッツ現代美術館(マス・モカ)やブリッジ・オブ・フラワーズ、フレンチキング・ブリッジなど、ドライブの途中でぜひ寄り道を。

10月上旬~中旬には息をのむような美しい紅葉に辺り一面が彩られ、山間部を縫うように走るモホークトレイルのドライブなら最高の気分が味わえます。道程に現れる滝や川など自然も満喫。展望台からは大パノラマも楽しめるので、全米最古の高速道路をぜひ走破してみてください。

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